壁と絵画
松井 勝正・境澤 邦泰
前衛絵画の前線とは今どこにあるのだろうか?そして現代の絵画が取り組むべき課題とその可能性とは何だろうか。戦後の前衛芸術を牽引するメディアだった絵画は、ミニマル・アートやコンセプチャル・アートによって制度的な批判の対象となり、ニューペインティング以後にマーケットに対応したメディアとして復活した。そうしたねじれた歴史を経て現在、前衛芸術としての絵画の位置付けは曖昧なものになっている。
そうした状況を踏まえ、当企画では境澤邦泰とアート・トレイスの活動をひとつの事例として 、現代における絵画のあり方を「壁」という制度論的な側面と「絵画」の造形的な側面の両面から総合的に考えたい。境澤の仕事は、白い壁と白いカンヴァスという絵画の制度を外的内的に支える理念を、解体し、再構成していくような作業として捉えられる。そこには、絵画の豊かな伝統とともに絵画に課せられた課題を歴史的に検証していく作業が存在している。また、アート・トレイス・ギャラリーで実践されている作家たちによる展示空間の共有という試みは現代における芸術の自立的なあり方を考えるためのモデルとなるだろう。当企画で示される実践と理論が、これからの絵画を考える指標になることを目指したい。
2024年2月16日(金)〜3月12日(日) 12:00-19:00 木曜休廊
会場: ART TRACE GALLERY MAP
〒130-0021 東京都墨田区緑 2-13-19 秋山ビル1F TEL 050-8004-6019
1F,Akiyama bldg.,2-13-19,Midori,Sumida-ku,Tokyo 130-0021,JAPAN
http://www.gallery.arttrace.org/
e-mail: gallery@arttrace.org
関連イベント
アートトレイスギャラリーの20年 詳細はこちら
2月23日(金) 19時00分から21時00分まで
パネリスト:坂 光敏・土屋祐子・百瀬陽子・松井勝正・境澤邦泰
壁について 詳細はこちら
2月26日(月) 19時00分から21時00分まで
登壇者:松浦寿夫
制作現場から考える壁と絵画 詳細はこちら
3月2日(土)19時00分から21時00分まで
パネリスト:松井 勝正・境澤 邦泰
ホワイトキューブ以後の壁と絵画 詳細はこちら
3月10日(日)17時00分から19時00分まで
パネリスト:松井 勝正・境澤邦泰
イベントはいずれも参加無料・定員50名となります。
参加希望の方は、各イベント詳細ページをご確認いただき、
「壁と絵画 イベント参加フォーム」より申し込みをいただくか
kabetokaiga@gmail.com まで、参加希望のイベント名、お名前、参加希望人数をおしらせください。複数のイベントに参加を希望される場合は、それぞれのイベント名とイベントごとの参加希望人数をご記載ください。
壁と絵画 冊子データ公開
助成|公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]